古代ローマ人の……
かうひい屋がグラニテを知ったのは約30年前、かうひい屋開店の頃でした。「(古代)ローマの食卓」と言う本で、果物のジュースを雪と塩を使って凍らせ、欠き砕いた物ということでした。
その後調べたところによると、グラニテはフランス語で、シチリア(イタリア)に古くから伝わるグラニータを由来とする、ということらしいです。
何はともあれ、開店以来頭の中でうごめいていた「コーヒーのグラニテ」を思い立ったのは開店後20年も経ってからでした。最初は冷凍庫から出したばかりの硬く凍ったコーヒーを砕いていましたので、力業でしたが、そのうち氷を室温に置いて緩ませることに思い至ってからは、作りやすいメニューになりました(ポイント)。自家製のアイスクリームをトッピングしたのは、自然の成り行きでした。
道具について
道具の画像はアマゾンにリンクしています。
コーヒーを凍らせて、砕きますので、以下のような金属製の道具が便利です。
ステンレスバット
大きさは、コーヒー500ccに対して、2倍の大きさの1リットルくらいあったほうが、砕く作業をしやすくなります。。前日にコーヒー500ccを淹れ、味付けをして、このバットで冷凍庫で凍らせます。
起こし金
お好み焼きなどに使う、どこにでもある「起こし金」です。翌日、凍ったコーヒーを冷凍庫から取り出し、20~30分ほど室温に放置し、氷が少し緩んだところで、起こし金で砕きます。
ちなみにステンレスバットの蓋があると便利です。
レシピ
材料
- イタリアン・アロマ・ブレンド 45g で 500cc のコーヒー
- グラニュー糖 90g
- ブランデー 小さじ(5cc)で、軽く一さじ
- アマレット 小さじ(5cc)で、軽く一さじ
c. d. のアルコール類はなくても出来ますが、大人の味として少し寂しいかも(特にブランデー)。
手順
アイスクリームや練乳などのトッピングが考えられます。また、冷たく冷やした牛乳に浮かべるのも一興ですが、しっかり溶けてしまわないうちに召し上がって頂いた方が、味の変化が面白いと思います。
- 上記を暖かいうちに混ぜ合わせた後、あら熱を取ってバットに入れ、冷凍庫へ
- (重要ポイント)翌日、冷凍庫から取り出して20分ほど室温に放置(10~20分後くらいから、時々つついて様子を見る)。
- 軽い力で砕けるほど緩んだら、手早く砕いて、冷凍庫に戻す。この時、糖分が下に沈む傾向にあるので、下から上へ持ち上げておく。
- 余裕があれば、また冷凍庫から出して砕く。この時は冷凍庫から出してすぐに作業をし、また元に戻す。(この何度かの作業によって、よりきめ細やかな氷が出来る)
応用とポイント
「このメニューならコーヒーでなくても」と思いつかれる方は多いでしょう。その他のジュースや果物などでも同様の物が出来ます。 トッピングもアイスクリームの他、練乳や、果物ならヨーグルトも相性がいいかも知れません。
味のポイントとして、凍ったものは舌が味を感じにくくなってしまうので、甘さを増やした方がいいかも知れない、ということを少し意識して下さい。
氷を砕く時のポイントとして、室温に置いて氷を緩ませるための時間を経験的に知ることが大事です(30分ほどを目安にしてみて下さい)。 1度砕いただけでも充分完成ですが、さらに冷凍庫に入れて、同様に砕くとよりきめが細かく、食べやすくなると思います。
ネットなどでは、「凍っていく途中を、何度か砕く」とも紹介されていますが、当店では「翌日に緩ませて砕く」方法でした。