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2019-05-3013年越しの謎解き

早く聞けばいいのに……「長崎出島の食器達」

 「長崎出島の食器達」のページに、出島の展示物の「パイプのようなもの」が、実は何だか分からないまま写真を掲載していました。2006年の記事ですから、約13年間そのままにしてきました。

 この度、突然意を決して、長崎市の出島関連部署宛てにメールで問い合わせました。

Q: 2006年に私が作ったWebページで、長崎出島を紹介しましたが、その当時も、現在も使い方が分かっていない、「パイプのようなもの」があります。このアドレス…………画像の白い木製のものです。これは、何に使うものでしょうか。

答えは即日、昼頃出したメールに夕方には返信をいただきました。

A: さて、お問い合わせの件ですが、おっしゃるようにまさしくパイプでございます。
当時(なお出島の復元は19世紀初頭の出島を念頭に置いております)ヨーロッパではやっていた、「クレーパイプ」と呼ばれるものです。
その名の通り、白い粘土を焼いてできており、折れたものや欠けたものなどたくさんの破片が出島の発掘調査では出土いたします。
参考までに、展示パネルの一部を添付しておりますのでよろしければご覧ください。

木製ではなかった!

クレーパイプについて
クレーパイプについて

左の画像が送っていただいた資料です。

13年もの間のぼんやりとした疑問が、氷解しました。しかし、木製と思い込んでいたものが粘土製だった、これは意表を突かれました。「柔らかい木製のようだから、パイプにするとすぐに燃えてしまいそうだ」と思い込み、何に使うものなのか、分からなくなったのです。

 パイプには知識のない私ですが、返信をいただいた文中の「「クレーパイプ」と呼ばれるものです。 その名の通り、白い粘土を焼いてできており」には、思わず喜びました。なぜなら「クレーパイプ」は、ほんの数日前に知った新知識だったからです。

ゴッホとクレーパイプ
(パイプ・ミュージアム)

パイプとゴッホ
パイプとゴッホ

 これより数日前、ゴッホの「ジャガイモを食べる人々」について検索をして、オランダ・アムステルダムの「パイプ・ミュージアム」のページに行き着いていました。そこには「パイプ喫煙に対するヴィンセントの情熱(自動翻訳)」というページがあり、ゴッホの絵に登場するパイプがどのような種類のものか、特定するための推考が述べられていました。

パイプを吸い始めた10代のゴッホについて、自動翻訳氏 曰く

 「どうやら彼は彼のパイプの中で高揚する喜びを見つけました。彼がその時どんな種類のパイプを使ったかが問題です。1870年代と彼の若い時代の時間を考えると、それは単純な粘土パイプでなければなりません。その時期には、葉巻やその時に発生したタバコなど、喫煙に代わる十分な選択肢がすでにありました。その使用はオランダではほとんど一般的ではなく、そのブラバント環境では確かにありませんでした。」
※ ブラバント=ゴッホが生まれ育った、オランダの地方

クレーパイプ
図16

 そして同ページを改めて探すと、「ヴィンセントの作品の中のパイプ(昔ながらの粘土パイプ)」の項で 図16 として、まさに出島のクレーパイプと同じかと思える画像が示されていました。

 いただいた資料には、「突起部に刻印がある」と言う話ですから、図16のパイプを向こう側に倒して、刻印を見てみたい気がします。

順番がよかった

こんなことなら、早く聞けばよかったとも思いますが、ゴッホのパイプについて知見があった後、出島のパイプについて教えていただいて、大変印象的に解決できました。私の頭の中で、クレーパイプを通じて、ゴッホと出島が関連づけられることになり、なかなか面白い体験でした。

素早く明快な回答をいただいた、出島関連部署の方に、厚くお礼申し上げます。