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2019-06-11元絵が分からなくなった

有名な絵だと思っていた……

珈琲の話 表紙
オリジナル(女性)と
模写(男性)

 前回の記事「松尾龍之介氏 来訪」で、「珈琲の話」の表紙をご覧いただきましたが、二人の男女の像は、かうひい屋の完全オリジナルではありません。右の男性はアールヌーボー時代のカリカチュアからの模写、女性は一応かうひい屋のオリジナルと言えます。

 1995年頃の雑誌の、5~6ページの「アールヌーボー特集」記事から絵や写真を参考にしています。

 男性の元絵となったカリカチュアは、かうひい屋も以前から見知っていて、痩身長身と、肥満系短身の、男性二人が、右から歩いているものでした。いずれもシルクハットだったと思います。

 この元絵が、現在見あたらず、ネット上にもなく、以前(25年前)は本などで何度も見かけたはずなのに、何だったのだろうと思っています。

かうひい屋に向かって歩くように

ワグナー
ワグナー
ホフマン
ホフマン

 描かれていたのは、アールヌーボー当時のウィーン建築界の大御所オットー・ワグナー(肥満系短身)とその弟子のヨーゼフ・ホフマン(痩身長身)です(そのはずですが……)。

 かうひい屋では最初、玄関ドアの左側に掛ける看板として作りました。その際、右から歩いてきては、かうひい屋のドアから遠ざかってしまうことになるので、左右を入れ替えて、左からかうひい屋のドアに向かう形にしました。

アルマ・マーラー
アルマ・マーラー

そしてホフマン(痩身長身)の方を、同じ雑誌の写真で、傘を持った女性の姿に変え、女性の髪型は同じページから、作曲家グスタフ・マーラーの妻アルマ・マーラーの印象をとりました。

 意外にも!、オットー・ワグナーでもヨーゼフ・ホフマンでもないところから、元絵が出てくるかも知れません。その時はまた、報告させていただきます。

オットー・ワグナー(1841-1918)
ヨーゼフ・ホフマン(1870-1956)
アルマ・マーラー(1879-1964)